2015年10月25日日曜日

異次元遊園地

2012年10月14日に見た夢の話です。

他人の夢の話ほどつまらないものはないと思います。
人は他人の心のありように当の本人ほど興味は持てないものだし、その大抵が物語として破綻しているからです。
だけどこの日見た夢の内容は今でも驚くほどよく覚えています。
古今東西ありとあらゆるフィクションから影響を受けまくったラノベみたいに陳腐な話ですが、あまりにリアルで細部にわたって入り組んでいるうえに設定に一切の破綻がなく、夢の中では数か月程の体感がありました。
目が覚めた瞬間に微に入り細に入りメモとして書きとめてあったのを先ほど発見してこれは・・・と思い、興ざめ承知でまとめました。

メモ書きの内容が混沌としていたため、読みやすくするために順序を入れ替え加筆して一人称仕立てとしましたが、内容は九割見た夢そのままです。
胸糞わるい暴力描写あるので注意してください。



*****

私はこの春から全寮制の国立魔法学校に通っている。
クラスメイトは43人。美人で優しい担任のかおり先生と一緒に、一人前の魔法使いになるために毎日元気に頑張っている。
他の学校のことは知らないけど、私たちの学校には10歳から17歳までの女の子だけが集められている。
普通の子が勉強する科目は9歳か、遅くても15歳までには高校三年生までのぶんを全部終わらせて、それからは魔法の勉強だけに集中する。

10歳なのは私を含めて三人だけ。
同じクラスの美咲ちゃんは攻撃寄りのバランス型で、普通科目時代から今までずっと一番の成績だ。
隣のクラスの由美ちゃんは回復魔法が得意で優しい女の子。うさぎの飼育係をやってる。
私は特に得意な科目はないけど、結界を張るのが好き。
美咲ちゃんも私も気が強い方なのでしょっちゅうケンカになるけど、由美ちゃんに叱られてすぐに仲直りする。
大人になったらすごく強い国家魔法使いになって、三人一緒に天皇陛下から勲章をもらおうねって話してる。
でも本当は私、大人になったらかおり先生みたいな先生になりたいなって思う。二人には内緒だ。



三か月間の初級魔法課程が修了してすぐに、はじめての実習に参加することになった。魔法職で国家公務員を目指すなら必須の実習『異次元遊園地』実習だ。
『異次元遊園地』は国家魔法使いたちがその強力な魔力で錬成したいくつもの亜空間のうちのひとつだ。
亜空間は『こっち側』に数カ所開けられた特別な出入り口のほかには現実のどんな場所ともつながっていない。

校内にある実習準備室の奥にあるドアが亜空間同士をつなぐ『駅』への入り口だと説明を受け、私たちはクラスごとにドアをくぐった。
ドアの中に一歩足を踏み入れるとそこは列車の中だった。遊園地の列車みたいに座席が外からむき出しになっていて、手すりには転落防止の黄色いプラスチックの鎖が巻き付いていた。スピードはのろかったけど、車両の外の様子を見ようとするとまぶしくて何もわからなかった。
隣に座った美咲ちゃんに「すごいね」と話しかけたけど、美咲ちゃんは怒ったみたいな顔をして前を向いたまま黙っていた。列車が『異次元遊園地』駅のホームにすべり込むまで他の子もだれも一言も口を利かなかった。
『異次元遊園地』駅は田舎のおばあちゃんちの駅みたいに無人の木造の駅だった。

改札をくぐって外に出ると、見上げた空は一面赤か朱色みたいな毒々しい色に染まっていて私は不安で胸が締め付けられたけど、あんなきもちわるい列車を降りて広い空間に出られたことでみんなの表情はやわらかくなっていたので私もすこしだけホッとした。

改札を出てすぐ目の前の『異次元遊園地』とレリーフされた巨大な鉄の門の向こうには、巨大な観覧車やジェットコースターの骨組みの一部が見えて、生まれてから一回も遊園地に来たことのない私の胸は高鳴った。遊びに来たわけじゃないのに。

クラスごとに門をくぐって、園の中に入る。かばんからジュースを出して飲んだり、おしゃべりして笑ってる子もいて、遠足みたいだった。「さっさと終わらせたら遊ばせてくれないかな」「やだ早く帰りたい、あんた趣味悪い」みたいな軽口も聴こえた。

教務主任の先生が大きな音で笛を長く一度吹いて、訓練を受けている私たちはすぐにおしゃべりをやめて整列した。
そこでそれまで伏せられていた実習内容が私たちに告げられた。
”遊園地敷地内で四時間の間生き抜くこと。そのためなら何をしてもかまわない。三十秒後に開始する”
「生き抜く」?
その語感の強さに戸惑っている私たちの耳に聴こえてきたのは、背後の駅舎から流れ出す山手線の発車メロディが半音狂ったような奇妙な音声だった。

気が付くと、遊具の影やお土産物売り場の中から髪と髭がぼうぼうに伸びた男たちがわらわらと現れて呆然としている私たちの方に近づいてきていた。強烈なにおいが鼻をつく。
教務主任の先生がスッと手を挙げるのが見えた。列の一番前、おびえて先生のそばに固まっていた子たちに向って汚いおじさんのひとりが走り寄り、背中から取り出した大きい鉈のようなものを思いっきり振り下ろした。
その悲鳴を合図に大虐殺が始まった。

素手で引きずり倒しておなかを踏みつけるやつもいれば鎌を振り回すやつもいる。魔法を使うやつまでいた。
一瞬はパニックになりかけたものの、初級とはいえ魔法使いである私たちは数カ所に固まって結界を張ったり、防御魔法や攻撃魔法で応戦するけどほとんど歯が立たない。

何が起こっているのかまったく理解できない。
でも抵抗しないと確実にやられる。
こんな怖い人たちに捕まるのは絶対にいやだ。

私は結界と時限式の罠を組みあわせて遊具と遊具の隙間を縫うようにして逃げた。由美ちゃんと美咲ちゃんのことが心配でたまらなかったけど二人を探してる余裕なんてなかった。
冷や汗でびしょびしょになりながらそうやって2時間ほど逃げ回ったころ、集中が切れて結界が掻き消えてしまった。その瞬間後ろからなにかの刃物で斬り付けられ、私は広場の芝生の上に倒れた。
倒れこんだところを上から何度も何度も刃物で突き刺された。すさまじい恐怖と呼吸の苦しさと痛みで私は気を失った。



遠くから聴こえる狂った発車メロディの音で目を覚ますと、私は広場の芝生の上で横になっていた。
体中にあるはずの刺し傷や転んだ膝の傷は全部消えていて、かおり先生が「よく頑張りました。でももうちょっと周りに注意しようね」と頭を撫でてくれた。
やっぱり「ふり」だったんだ、先生たちの魔法で幻覚か何か見せられてただけなんだ・・・と思うとホッとして体中の力が抜けていくのがわかった。
同じように近くに倒れていたクラスメイト何人かと、保険室の先生の運転するバギーに乗って駅まで戻った。
あの汚いおじさんたちの姿はもうどこにも見えなかった。

駅舎の中にあるレストランには宴会の準備ができていて、先生たちは乾杯をしてお酒を飲みはじめた。
私たちにはジュースとドーナツが配られたけど皆ぼーっとしてしまっていて誰も手をつけなかった。
そこで初めて私は由美ちゃんがいないことに気付いた。
私はかおり先生の席まで行って「先生、由美ちゃんがまだ集合してません」と言った。先生は手に持った黒い名簿と私の顔を交互に眺めながら頷くだけだった。
自分の席に戻って由美ちゃんがいないんだけどと言うと、膝を抱えていた美咲ちゃんは大声で泣き出した。みんながびっくりして私たちのほうを見た。美咲ちゃんはしゃくりあげながら、この実習のルールについて私たちにとぎれとぎれに説明してくれた。



★「異次元遊園地」実習について★

【前提】
刑法改正に伴い、並外れて凶悪な犯罪を犯し懲役100年~10000年の超長期刑に処せられた受刑者への対応策として「異次元流し」制度が考案された。国家魔法使いによって錬成された亜空間内で受刑者は自身の死期をはるかに越えた刑期を全うすることとなる。
刑期を短縮する方法として社会貢献活動があるが、国立教育機関である魔法学校の実習用モンスター役として自身を提供することもその選択肢の一つである。

【実習クリア要件】
①実習では生徒の実力を
 1.魔法の精度・威力
 2.状況判断能力
 3. 殺害されるまでの時間
 の三観点からポイント付けし、上位10%の成績をおさめた者を「適」とし、他を「不適」とする。
②「適」者については本課程を修了とし次過程に進む。「不適」者については再試とする。
③全九回実施される再試の結果「不適」評価だった者を落第とする。
④死亡もしくは負傷した場合も①の基準に照らし合わせ「適」者となった場合は特例とし、養護教諭によってすみやかに蘇生処置もしくは回復魔法による治癒を行うこととする。ただし死亡していた場合は「適」者であっても再試とする。
⑤死亡した「不適」者については、遺体を回収し修復(蘇生は行わない)のち保護者に郵送、在学生名簿から抹消することとする。

以上

★★★★


信じられないような話だった。
美咲ちゃんは泣きじゃくりながら何度もごめんねごめんねと謝った。
私お父さんから聞いて知ってたの本当は言わなきゃいけなかったんだけど言えなかったの絶対に言っちゃいけないことになってるのでも言えなくてごめん、由美もごめん
「あ、由美ちゃん死んじゃったんだ」
口に出したら私の目からも涙がぶわっとあふれた。

私は先生たちの座ってるテーブルを見た。教え子が死んだ直後にあんなに楽しそうにお酒が飲めるなんて先生たちは狂ってる、と思った。
かおり先生も笑ってた。優しく見えるけどやっぱり魔女なんだと思った。

それからまたあの列車で『こっち側』に戻って、その夜の寮のごはんはごちそうだった。ほとんどの生徒がそれを残した。
43人だったクラスメイトは37人に減っていた。誰が合格して誰が死んだのかは教えてもらえなかったけどなんとなくわかった。



それから一週間おきに『異次元遊園地』の再試が行われて、クラスメイトは毎週減っていった。

クラスで一番かわいい13歳の美貴ちゃんは毎回、開始直後に手足をつぶされて四時間のあいだずっと囚人たちに輪姦されていた。
彼らのお気に入りだから最後まで殺されずに生かされて、何回も再試やってるうちにもう完全に頭がおかしくなっちゃって、毎週実習の前の日に手首を切るんだけど、毎回毎回先生に蘇生させられてる。

魔法学校を自主的に退学することはできない。
美咲ちゃんに話を聞いて、一旦魔法学校に入ったら出る方法は三通りしかないことがわかった。課程を修めて卒業するか、死体になって総務課の郵送窓口から出るか、規定回数以上落第するか。

押さえつけられて獣みたいな声で叫ぶ美貴ちゃんを2mくらい離れた距離から眺めながら、隣のクラスの担任の男の先生はいつも首をひねりながら例の黒い帳面になにか書きつけていた。
その口元がうっすら笑っているのを見てしまって私はもう本当にだめだと思った。

・・・そう、開始直後に隠れて最後まで逃げ切れば、再試クリアのためのポイントは付かないけど殺されることもない。
私はまだ自分一人が入れるサイズの結界しか張ることができないしそれも一回数分間しかもたないから、開始の合図のメロディが鳴りはじめる瞬間に目隠しの結界を張って、何度も物陰に隠れながら逃げなきゃいけなかった。
声を出したら居場所がばれてしまうから声を出さずに泣きながら必死で逃げた。

クラスで三番目だった私の成績は最下位まで落ちて、毎日放課後夜遅くまで補習を受けなきゃいけなかった。
ここまで内申が下がってしまったらもうまとも仕事にはつけない、先生にだってなれない。
そんな私に対してかおり先生はどんどん冷たくなっていった。
かおり先生も私と同じで一般家庭から苦労して魔法使いになった人だから、私のことを歳の離れた妹みたいにかわいがってくれていた。だからすごく寂しかったけどあんなふうにめちゃくちゃにされたり殺されるよりかはマシだ。



三回目の再試のとき、遊園地の片隅にある古い喫茶店を見つけた。
おそるおそる店内に入ると、ほこりまみれの机の前に白髪で白ひげのおじいさんが一人で座っていて、私に向かって低い声で「よくここがわかったね」と言った。私が体をばっと引くとおじいさんは「何もしないから大丈夫」と言って笑った。

「なんでですか?」
「子供が好きだから」
どんな悪いことしたの?と聞きたかったけど怖くて聞けなかった。だけど悪い人じゃないことはなんとなくわかった。
それから再試の時は毎回、その喫茶店にかくまってもらうようになった。おじいさんの体からもものすごいにおいがしたけどすぐに慣れた。
おじいさんが張ってくれた強力な結界のおかげで、喫茶店が囚人に襲われることはなかった。
美咲ちゃんも一緒に隠れようよと何度も誘ったけど、美咲ちゃんの家はうちと違ってお父さんもお母さんも上級魔法使いだからそんなことは絶対にできないと言っていつもすごく怒った。
美咲ちゃんの実力なら、本当だったらとっくにクリアしてるはずなんだけど、もう何度も再試を受けていて、私は心配だった。私たち三人の中で美咲ちゃんが一番こわがりだから。

八回目の再試の時、開始直後に美咲ちゃんは囚人に捕まって地面に押さえつけられて火炎放射器で頭を黒焦げにされた。姿を消していた私は思わず声が出そうになったけどくるっと振り返って走って逃げた。

もうとっくに泣く気力もなくなっていたけど、喫茶店の玄関のドアをくぐるとそれでも涙がぽろぽろこぼれた。
おじいさんは私を抱きしめて頭を撫でてくれた。おじいさんはすごくくさかったけど私はおじいさんにつかまってわんわん泣いた。

「学校やめたい・・・でも卒業までは家と連絡取れない決まりなんです」
「いつもここに来るといいよ、落第してもあんなひどい試験参加しなくていい、じいちゃんあんたの味方だよ」
「先生たち私たちが殺されても何も思わないのかな」
「魔法使いというのはそういうもんだよ、あんたふつうの家に育ったから知らんかったでしょう」
「かおり先生、優しかったのにもう別の人みたい」

おじいさんがええっと言う声を出した。

「その先生もしかして、専門は結界じゃないか」
「そうだけど、なんで」
「・・・じいちゃんも昔先生だったんだよ」
「ええっ」
「それでそのかおり先生というのはたぶん俺の生徒だった」

*****



ここで目が覚めた!!!!!!!!

2015年10月10日土曜日

好きなものvol2 くわしく

ダラダラと挙げた好きなものについて好きな理由を考えてみたその2。長くなったので抜粋版です。

★レッドアイ
トマトジュースもビールも苦手だった頃このカクテルを知って、へぇと思いました。
今では両方とも好き。家で作るときは以下のようにして作る。
①トマトジュースとビールとグラスをキンキンに冷やす。グラスは冷凍庫で。
②グラス半分のところまでトマトジュースを注ぐ。
③ビールを注ぐ。
④ポッカレモンをピピピと振る。
⑤あればタバスコとブラックペッパーとウースターソースを好みで。


★頑丈な丸椅子
大学のサークルの部室にあったデッサン用の堅い木の丸椅子が気に入りすぎて勝手に持ってきてしまった(ごめんなさい)
実用一辺倒!ってかんじの家具が好き。


★減塩梅干し
「まずそう」という理由で敬遠していた減塩梅干し、食べてみたらかなり好みだった。塩分濃度3%くらいのやつ。
でもこのうまさはおそらく、塩を減したことによって必要になった保存料その他添加物の味に私の貧乏舌が喜んでいるだけだろうとも言えます。


★マナティ
3年ほど前に女と一緒に熱川バナナワニ園に行ったとき、小ぶりな水槽にでんと入っているアマゾンマナティを観ました。
説明パネルには48歳とあって、水槽の前にはりつくようにして自分を見つめている小さな子供にヒレを振ってサービスしていた彼女。(私と連れにはサービスなし)
そのときすごく色々な気持ちになりました。


★オレンジと白の太めのストライプのシャツを着た30代男性
シャツというもの全般がすごく好きで、でもそんなには似合わない。シャツというのは男の人に似合うように作られたものなので当たり前なんだけど。
だから男の人がシャツを着ているのをよく眺める。オックスフォード地でオレンジと白の太めのストライプのシャツが似合う人はあんまりいない(痩せていたりスタイルが良すぎると似合わない)ので、良く似合ってる人を見かけると、とってもうれしい。


★うなぎ
おととしだったかな、生まれてはじめて食べて以来、とりこ。それまでは10円駄菓子の「蒲焼きさん太郎」を食べていました。


★ポッカレモン
魚の白身を塩焼きにするときちょっと振ったり、先述のレッドアイやハイボールなどに入れます。生のレモンのが美味しいに決まってるけど常備しておくのが面倒くさい。ポッカレモンならふたを開けてピピピ、です。


★エネオスの制服
私はとろくさいからガソリンスタンドで働くのは無理なんで、大学生の頃友達がバイト先で着ているのを見たとき、なんてかっこいいんだと思って眩しかったです。


★シドニアの騎士
月刊アフタヌーンをたまに買っていたので同雑誌でずっと連載していることは知っていた。
面白そうだけど途中から読んでもな・・・と放置していたのを二年くらい前に一巻だけ買って読んでみたところ面白くてあっという間に全巻揃えてしまった。戦闘シーンや人の進退など、一度読んだだけじゃよくわかんないとこが多いんだけどその結果何度も読めて嬉しい。
メカの格好よさもさることながら、宇宙空間で生きる人間のいじらしさや惨めさが胸に迫る。


★足首がガボッとしてるバックスキンのショートブーツ
前持ってたんだけどボロボロになって捨てた。その代りがなかなか見つからない。
MINNETONKAのモカシンブーツもかわいいんだけどあれは若さではち切れそうな女の子が生足をガッと出して履くものだと思うのでなかなか手が出ません。


★緑色のLANケーブル
会社のOA機器入れ替えのタイミングで一般色(水色)以外のケーブルが貰えるとうれしいものです。


★デジタル置き時計
黒背景のものが好きです。周りが木製のやつ。
今は目覚まし時計としての性能を最重視した、頭が割れそうなくらいでかい音で鳴る、頭が割れそうなくらいダサい赤いプラスチックの時計を使ってます。寝起きは良いほうなので買い換えようかしらとは思うのですが、万にひとつ寝過ごすのがおそろしくてなかなか。


★えいひれ
完全食。


★べっ甲の靴べら
昔から民芸品がすごく好きで、なんでだろう。特にべっ甲や琥珀なんかの柄はいくら眺めても飽きることがない。
この手の加工品が孕んでいる人間のエゴのエネルギーは呪具のよう。
何か本物のべっ甲でできた小物をひとつ欲しくて、眼鏡は重いし自分で柄が見えないしなーと思っていたところ靴べらという選択肢に思い至った。


★無印良品のさいて食べる極薄昆布
悪いこと言わんので食べてみてください。私はこれを今までトータル200mぶんくらい食べてます。
水と一緒に食べるとお腹がパンパンにふくれて動けなくなる。


★ポピー
配色が見事すぎる、一番好きな花です。道端に咲いているのを見ると「ガンバーレ」と思います。


★胸ポケットにはさめるボールペン
いい歳の女だし実際にはさむ機械はなかなかないけど、実際的なデザインが好きなので選択の余地があるときは挟めるやつを買います。


★上野にある純喫茶『王城』
月4、5回くらい行ってます。アメ横の近くなのでゴールデンタイムには座れないことも。マダムや店員さんたちはとても物静かで、注文を取るのとお皿を下げる以外の会話をしたことはないけど雰囲気があってとてもいい感じです。


★白身魚の蒸し料理
フライパンににんにくおろして、塩振った白身魚(鱈とか)乗せて、その上からキャベツとかきのこたくさん乗せて、だしと酒まわしかけて蓋して火にかけて放置、です。


★ブラックニッカのハイボール
ブラックニッカクリアブレンドはコンビニで一番安く買えるウイスキーですが、癖が無いので私はこれがいちばん好き。
グラスに大きめの氷をたくさん入れて、数秒待ってグラスが冷えたらウイスキーを入れて、また数秒待ってグラスを冷やして炭酸水を注ぎます(無糖だったらなんでもいい)
そこにポッカレモンをピピピと振って完成。


★主婦の乗ったフォルクスワーゲンゴルフ(赤)
免許も持ってないし車には詳しくないんだけど、真っ赤なフォルクスワーゲンのファミリーカーに一人で乗っているひと回り歳上の既婚女性に色々と用事を言いつけられたい...という気持ちがある。


★細くて蛍光色の髪ゴム
どんな服にも合わないのにどこにでも売ってるし売れてるし、どんな女が使ってんだろうと思うとわくわくする。


★バンガロー
好きな女の子と森の中のバンガローに泊まって、夜には庭先でたき火を挟んでずっと二人で黙って火を見ていたいなと思う。


2015年9月23日水曜日

2015年9月23日の雑感

大人になって、恋愛ものの歌詞なんかに出てくる陳腐でロマンティックな言い回しの意味がしみじみわかるようになってきた。
「僕が君の女友達だったら」とか「帰れないふたり」だとか、ほんとにそうだよね・・・と思ってじーんとなる。

あきらかに10代の頃より感情は死んでるのになんでだろう。自分に夢中じゃなくなったから?





昔見た映画を今になって観かえすと、映像が手足の毛細血管の一本一本まで染み渡る気がする。
たとえばなにか大きい事件があったあと人々が無言で家路につく、みたいなシーンがあったとする。
前回観たときは(あの人はああだからきっと次のシーンでこうして、この人はこういうことを考えてて・・・)っていうふうにいちいち想像してたのが、今では(ここで各々、各々の内なる思いに考えをめぐらす・・・)ってくらいの雑な受け取り方をするようになった。
頭悪くなったんかな?とも思うけど、不思議とそっちのほうが心にスーッと入ってくる気がする。
人間の心は加算器減算器じゃなくてブラックボックスだから、そのまま受け入れる方が計算に狂いが出ないんだと思う。





半年くらい前人に聞いた「物語は犬のいない犬小屋」という話が面白かった。
誰か学者の言葉だったと思うんだけど誰の言葉だったかは忘れた。
「『物語性』とはつまり犬のいない犬小屋である。犬のいる犬小屋から物語は生まれない。」
みたいな話だったと思う。
犬のいない犬小屋って凄くうまい言い回しで、たとえば例を挙げると・・・と考えたところでアホらしくなる。
それこそ犬のいない犬小屋に犬を連れてくるような話で、しょーもない。


犬のいない犬小屋をじっと見つめ続けられるようなタフな心が欲しいと思う。

2015年9月9日水曜日

献血がすき

献血にはよく行く。

毎回うきうきしながら行くんだけど終わる頃には真っ青になってうなだれている。
怖がりなので実際に血を抜かれるときはもちろん、採血されるときも絶対に針を見ない。
腕に刺さった透明なチューブを流れる赤黒い血液を見るのはすごくいやだし、チューブの中の温かいそれが上腕に触れているのを意識するたびに鳥肌が立つ。
だけど懲りずに何度でも行ってしまう。

私の生活には非日常が介入する機会がほとんどない。
朝起きて仕事に行って帰って本読むか映画観て寝て、休みの日は散歩したり彼女か女友達と遊んだり(と言っても酒を飲んで喋るだけ)するだけ、それでけっこう満足して暮らしてる。
そんな私が病気でもないし用も無いのに定期的に腕に針を刺して血を500mlペットボトル軽く一本分も取られるなんて、控えめに言って滅茶苦茶に興奮する。

だから献血センターには必ず一人で行く。予定の日誰かに誘われてもなんやかや理由をつけて断る。
ロッカーに荷物を預けてTシャツ一枚になって、待合室でふやけてべこべこになった紙コップで冷たくて甘い紅茶を飲みながら自分の名前が呼ばれるのをじっと待つ。

いつもの質問シートにYES/NOで答える。海外渡航歴はなくて常用してる薬もなくて不特定多数の男性との性交渉もないです、誤って静脈に注射針を刺したりなんかもしてません。
血圧を測ってお医者さんの問診を受け、もう一度名前が呼ばれる。

採血のあと、寝椅子に横になって血を抜かれる。女性なのに血液の質がとても良いと褒められて、照れ臭い。
リラックスしてくださいね、とやさしく言って看護師さんが私の側から少し離れたところに立つ。

私の識別番号が貼られた血液パックが機械にかけられゴウンゴウンと撹拌される音がする。
私はここでは誰に対してもなんの責任もないただの番号で、しかも感謝される番号だ。

2015年4月25日土曜日

5/4(月祝) 文学フリマ東京に参加します

5/4(月祝)東京流通センターにて開催の、文学フリマ東京にサークルとして参加します。
友達のダサ美と二人です。

エッセイ本を出したいんやというダサ美に乗っかって若干部数ですが短歌集を刷りました。
もしよろしければ遊びにいらしてください。


★文学フリマ東京 : http://bunfree.net/?tokyo_bun20

★サークル名 :      友引 (総裁、ダサ美)

★スペース :          エ-18 Fホール (2階)

★頒布予定 :         『多恵 他』総裁 A5/28ページ
                            『とくべつな女の子』ダサ美 A5/52ページ       




2015年4月15日水曜日

じいさんの太平洋戦争 その一

物騒なタイトルだけど内容はいつものごとく個人的な話。

太平洋戦争については日本史の教科書に載っている以上のことは知らないんだけど、二十年前に死んだ母方の祖父がよく話していたエピソードが印象的だったのでその中から二つ、紹介したいと思う。
本人の話と周りの人から聞いた情報だけで書いているので時代考証的に間違ってる箇所もあるかもしれない。見逃していただけるとうれしい。

✳︎

じいさんは私の実家から十分ほど車を走らせた海沿いに、ばあさんと二人で住んでいた。痩せぎすで背が高く、フォークリフトの資格を持っていて運送会社で働いていた。
いつも無表情で無口であまり子供と話をしたりしない男だったんだけど、戦争の話はポツリポツリとしたので、みんながそれを覚えていた。

【その一 】たくあんの話

じいさんのたくあん漬け大嫌いぶりは近所でも有名だった。
食べるのはもちろん目に入るのすら嫌で、ある日仕事を終えて帰宅したところ、食卓の上に嫁や子供が昼に食べた残りが置きっ放しになっているのをチラッと見た瞬間食卓をひっくり返したこともある。

じいさんの名誉のために言うと、普段は無口ながら本当に温厚な人で、毎日毎日文句も言わずに働いて給料袋はそのままばあさんに渡していた。嫁にも子供にも一度も手をあげたことはない。私自身もずいぶん可愛がられた記憶しかない。
そんな彼にもこの世の中に我慢できないことがひとつふたつあった。それに ”触れてしまう” と抑制が効かなくなり、激しく物に当たってしまうのだ。
そしてその「ひとつふたつ」のうちのひとつが ”たくあん” だった。

✳︎

母の話。
あるときじいさんは娘(つまり私の母親)を連れてデパートの食堂に出掛けカツ丼を注文した。それまでデパートの食堂に連れて行ってもらったことなど一度もなかった母は嬉しくてたまらなかったらしく、それでよく憶えていると言っていた。
しばらくしてテーブルに置かれたカツ丼、それに別皿で添えられたたくあんを見た瞬間、じいさんは跳ねるように立ち上がりテーブルに五百円札を叩きつけると黙って食堂を出た。
当時から気が強くてわがままだった母だったが、じいさんのあまりの剣幕に驚き、黙ってじいさんの後を追った。それから五十年経った今でもその日のことは昨日のことのように思い出せると言う。

✳︎

本題は食堂事件から十数年遡る。
十八歳で徴兵されてなんやかんやあり満州に渡ったじいさんは、兵舎での一般的な食事である「どんぶり麦飯にたくあん二枚」という食事を頑として受け付けなかった。
こっそり捨てるか人にやるかすればいいじゃないかと思われるだろうが「たくあんで汚れた飯なぞ食えるか」という気持ちだったんだと思う。

当然上官に顔の形が変わるほど殴られた。食糧難の戦時中に兵舎で出る食事を好き嫌いするなんていう話は正直言って気違い沙汰だ。上官は「貴様なんか死んでしまえ」と何度も何度もじいさんの顔を蹴った。じいさんはどんなに殴られても蹴られても一口も食べなかった。

じいさんは懲罰房に入れられた。房にはたくあん飯が差し入れられたけどじいさんは食わなかった。
十二歳で親兄弟を亡くして以来ボロ屋で一人暮らししていたじいさんには帰りを待つ人もおらず失うものも怖いものも何ひとつなかったので、別にいつ死んでもいいやと思っていた。全身殴り傷だらけで腹がペコペコで冷たい房の床に横になりながら涙は出なかったと言っていた。

丸一日ほど経ってから「もう出ていいぞ」と言われたじいさんが上官に促されて食卓に着くと、じいさんの席の麦飯にはたくあんが乗っておらず塩が添えてあったという。



これがたくあんの話。
続きはまたこんど。

2015年3月30日月曜日

ぐるぐる

私は毎日かわり映えのない暮らしを送っている。

毎週月曜〜金曜は仕事に行く。
朝は6時半に目覚まし時計をかけているけどだいたいその2分前には意識がある。ナイーブだ。

起きあがると顔を洗いに洗面所に向かう。顔を洗ってコンタクトレンズをつけて化粧水と乳液をつけて部屋に戻る。そのとき冷蔵庫の中にある冷たい飲み物をコップに注いで飲む。だいたいは豆乳か牛乳を選ぶ。
髪をとかして化粧をしてパジャマを脱いで服を着て玄関に立つ。
「携帯、財布、Suica、い、え、の、カ、ギ」という自作の歌を歌う。それでも月に2回はSuicaを忘れてしまう。

家を出て歩きながらiPodで何か聴く。サニーデイサービスとか聴く。

駅に着くと7時50分発の電車に乗って会社に向かう。7時50分発のに間に合わないときはフルーツジューススタンドでミックスジュースを買って飲んで、7分遅れの電車に乗る。電車の中ではTwitterを開く。

会社の駅に着く。大幅な遅延がなかったときは喫茶店に入りコーヒーを飲みながら文庫本を読んで8時40分には店を出て出社する。自分のデスクに座り、午前中の仕事をこなす。

昼ごはんは一人で外に食べに行く。丼ものとかお蕎麦とかをサッと食べてぶらぶら散歩したり、ベンチに座って文庫本を開いて朝の続きを読む。たまにお寿司を食べたりカフェに入ったりするけどそういうときはすぐに店を出ずにゆっくり座っている。

午後の仕事を始める。丼ものを食べたので15時頃猛烈に眠くなる。コーヒーを飲んだりストレッチをしたりしてなんとか目を覚まし、集中する。いつも一人で仕事をしているから打合せが入ると嬉しい。

仕事が終わる時間はまちまちだ。だいたい20時には会社を出て電車に揺られて帰る。元気があれば昼の続きの文庫本を読む。元気が出ないときはTwitterを開く。元気が出る。

水曜日は彼女か友達と飲みに行く。それ以外の日は駅前の飲み屋に入って生ビールを二杯飲む。おつまみにはえいひれをよく食べる。焼酎お湯割りも一杯飲む。それでもう酔っ払ってしまう。

家までとぼとぼ歩く。朝は12分で駅まで着くけど帰りはとぼとぼなので23分掛かる。

鍵をあけて家に入る。洗面所で手を洗ってお風呂場に入り給湯スイッチを入れてお湯をためる。
台所に行ってお湯を沸かす。元気があれば文庫本の続きを読むけど元気がないときはTwitterを開く。元気が出る。

お湯が沸いたので立ちあがり火を止める。そのまま台所でたばこを吸う。外ではたばこの匂いが苦手な人も多いのでほとんど吸わない。人のためというより、知らない人に嫌な顔をされるのが嫌いだから。お風呂は給湯器が勝手に止めてくれる。

目が疲れたのでコンタクトレンズを外す。そのままぼーっとしていると23時になっている。ショックで30分ほどTwitterをやる。

観念してお風呂に入る。お風呂には本を持って入るけど文庫本じゃなくて漫画にする。コンビニ版のバタアシ金魚とか、うしおととらとか。
湯船にKNEIPのオレンジリンデンバウムの入浴剤を入れる。だくだくとすごい量の汗が出てあははと声を出して笑ってしまう。

お風呂を出て、洗面所で化粧水と乳液を塗って髪を乾かす。台所に行きそのとき冷蔵庫の中にある冷たい飲み物をコップに注いで飲む。だいたいはポカリスエットかトマトジュースかヤクルトを選ぶ。

時計を見たら日付が変わっているのでショックで30分ほどTwitterをやっているとだんだん眠くなる。ベッドに入り布団を掛けて枕元の目覚まし時計をセットして目をつぶる。今日もお湯を沸かすだけ沸かしてお茶を淹れなかったなと思う。